2025年11月19日に、FOMC議事録が出ました。
今回は、FOMC議事録の見どころなどについて書いていきたいと思います。

FOMC議事録を確認することで、委員会の雰囲気などが分かるのでしっかり確認しましょ!
まずは、結論
2025年11月19日に、FOMC議事録が出ました。
【FOMC声明の見所】
- 政策金利:FF金利レンジを 3.75〜4.0%へ0.25%引き下げ
- バランスシート:12月1日で保有証券の削減(QT)を終了し、その後は償還分を国債に再投資
- 短期市場の逼迫感:レポ金利・EFFR(実効FF金利)が上昇、ON RRP利用は減少、SRF利用が増加
- インフレ認識:PCE・コアPCEとも前年比2.8%と推定、年初から上昇し2%を上回る状態が続く
- 雇用認識:雇用増加は鈍化、失業率は小幅上昇も依然低水準。下振れリスクは年初より高まったと評価
- 成長認識:実質GDPは上半期に減速も、第2四半期は持ち直し。基調は「緩やかな拡大」を維持
- リスク評価:インフレの上振れリスクはなお高い一方で、雇用の下振れリスクも増加
- 投票結果:0.25%利下げに「ほぼ全員が賛成」、2名が反対(1人はより大きな利下げ、1人は据え置きを主張)
についてコメントが書かれていました。

FRBの利下げを選択!理由も確認しておきましょ!
FOMCの議事録について
2025年11月19日にFOMC議事録がありました。他のサイトで議事録についての記事があるので確認しましょ!
出典元:米国連邦準備制度理事会公式HP 記事リンク→2024/11/19(FOMC議事録)

今後の焦点は、利下げを行う根拠と今後どこまで利下げを継続?の2点ですね。
金融市場・短期金融市場の動向
株式・金利・為替の動き
- 米国株:AI関連需要を背景にテクノロジー企業の好決算が続き、株価指数は緩やかに上昇
- 国債利回り:政策見通しが大きく変わらなかったため、名目利回りはネットでほぼ横ばい
- インフレ連動指標:原油価格の下落もあり、短期を中心にインフレ補正指標はやや低下
- ドル指数:米国指標の相対的な強さを背景に、貿易加重ドルは小幅に上昇
→ 全体として、「株高・金利横ばい・信用スプレッドは低水準」という、リスク選好は比較的高い環境が続いていると評価されています。
短期金融市場の逼迫とQT終了議論
議事録で特に強調されているのが 短期金融市場のタイト化 です。
- 国債レポ金利がIORB(準備預金付利金利)に対して大きく上昇
- それに伴い EFFRがIORBに接近、一部ではさらに上昇する兆し
- ON RRP(翌日物リバースレポ)利用残高はごくわずかまで減少
- 一方で SRF(スタンディング・レポ・ファシリティ)の利用が増加
さらに、
- 銀行が日中の支払いを後ろ倒しにする
- フェデラルファンド市場での国内銀行の借入シェアが増加
といった挙動も確認され、「準備金は潤沢水準にかなり近づいている」 との認識が共有されました。こうした状況から、公開市場担当のマネージャーは、SOMAポートフォリオの縮小(QT)を早期に停止すべきと勧告し、参加者も 12月1日での削減完了 にほぼ合意しています。
特別トピック①:スタンディング・レポ・ファシリティ(SRF)の中央清算
議事録では、SRFについての特別セッションが設けられました。
メリット
- SRF取引を中央清算機関経由にすることで、
→ レポ金利に上昇圧力がかかった局面でもSRFが使われやすくなり、
→ FF金利のコントロール手段としての有効性が高まる 可能性 - 短期市場における金利のスムーズな調整を後押し
懸念点
- 中央清算機関のシステム上の重要性が上がり、「Too important to fail」リスクが増す
- ノンバンクのレバレッジ拡大につながる可能性
- FRBの金融市場における影響力がさらに拡大し、市場メカニズムを歪める懸念
参加者のほとんどは、SRFは金融政策の伝達と市場機能の安定に役立つ中央清算の可能性について、さらに検討を進めるべきとしつつも、リスクも踏まえた慎重な検討が必要とのスタンスです。
特別トピック②:FRBバランスシートとSOMAポートフォリオ
長期的な資産構成の議論
スタッフからのプレゼンテーションでは、
- 現在のSOMAポートフォリオにおける国債の比率は、市場全体の国債比率より低い
- 長期的には、SOMAの国債構成を発行済み国債の構成に近づけることが望ましい
とされたうえで、
- 政府機関債・MBSの償還分を国債に再投資する形で
- 数年間かけて徐々にポートフォリオをシフトさせる、という案が示されました。
参加者のコンセンサス
多くの参加者は、
- バランスシート縮小は近く停止すべき
- 今後は償還分を国債に再投資し、SOMAの国債比率を高めるべき
- そうすることで
- 準備金需要や非準備金負債の変化に対して柔軟に対応しやすくなる
- 将来の金融政策緩和の余地も確保しやすい
- FRB収益の変動性も抑えられる
といったメリットを挙げ、長期的な方向性として支持しました。
一方で、移行期の国債購入が短期国債の供給を減らし市場機能に影響する懸念も一部から示されましたが、現状の償還ペース(月150〜200億ドル程度)であれば、市場への悪影響は限定的とする意見が多数でした。
経済・物価・海外情勢の評価
米国経済
- 実質GDPは2025年前半に鈍化したものの、第2四半期は力強く増加
- 年初の平均成長率は2024年より低いが、基調としては緩やかな拡大
- 実質国内最終民間需要(PDFP)は、2024年よりは鈍化しているもののプラス成長を維持
- 政府閉鎖により、第3四半期の統計データは不足しているが、PDFPは堅調な伸びを続けたと推定
海外では、
- 中国:財政刺激縮小と不動産不振で成長鈍化
- 欧州:活動の弱さが継続
- 一部新興国(メキシコ・アジアの一部)は、米国向けハイテク需要に支えられ堅調
エネルギー価格の低下もあり、多くの国でヘッドラインインフレは目標近辺まで低下している一方で、ブラジル・メキシコ・英国などではコアインフレが高止まり、中国ではむしろインフレが抑制された状態が続いています。
物価・インフレ
- PCE・コアPCEとも 前年比2.8% と推定
- トータルPCEは前年比で0.5ポイント上昇、コアはほぼ横ばい
- 関税引き上げが財インフレを押し上げている 一方で、住宅サービスではデフレが進み、相殺する形に
参加者は、
- インフレ率は短期的には 目標2%をやや上回る水準が続く
- 関税が価格に転嫁されることで、今後数四半期は財インフレが一段と上昇する可能性
- 一方で、労働市場の軟化とAIなどによる生産性向上が、コスト上昇を抑制する可能性も指摘
長期インフレ期待については、おおむねアンカーされていると評価しつつも、インフレ率が2%を上回る状態が長引けば、期待インフレが上振れするリスクを多くの参加者が懸念しています。
労働市場・消費・投資の見通し
労働市場
- 雇用増加は2025年に入り鈍化
- 失業率は8月まで小幅上昇したものの、依然として低水準
- 政府閉鎖により9月分統計は入手できず、民間データや地区報告に依存して評価
参加者は、
- 雇用創出の減速は、
- 労働供給側:移民・労働参加率低下
- 需要側:成長鈍化や不確実性による採用抑制
双方の要因によるものと分析
- AI・自動化などの投資が、中長期的に労働需要の構造変化を引き起こしている可能性も指摘
今後については、労働市場は徐々に軟化するが急激な悪化は想定していないものの、低い離職率や慎重な採用姿勢を背景に、失業率の急上昇リスクも意識されています。
消費・住宅・企業活動
- 消費は年初の減速から持ち直しの兆し
- ただし、高所得層の株高恩恵に支えられた側面が強く、低所得層は物価高で支出を抑制
- 住宅市場は高い価格水準が続き、活動は低迷気味ながら安定の兆し
- 企業投資では、AI・データセンター関連投資が特に堅調で、生産性向上への期待が強い
- 一方、農業セクターは価格下落・コスト高・需要減少で逆風
全体として、成長は「緩やかだが脆弱なバランスの上に成り立っている」 という印象です。
金融安定性・リスク認識
議事録では、金融安定リスクにかなりの紙幅が割かれています。
- 株価PERは歴史的に見て高水準(特にAI関連)
- レバレッジ型ETFやリスク資産への強い需要が続く
- ノンバンクの信用機能(民間信用・レバレッジドローンなど)で最近破綻が増加
- ヘッジファンドのレバレッジは高止まり、国債エクスポージャーは過去2年で倍増
- ステーブルコインの時価総額は急増し、一部は取り付けリスクの可能性
一方で、
- 銀行は規制資本や資金調達構造の改善により、依然として概ね底堅い
- 家計のバランスシートも全体としては健全で、住宅ローン延滞率も低水準
→ 全体評価としては、「資産価格・ノンバンク周辺に脆弱性が集中」 している状態と整理できます。
今回の決定内容
- FF金利誘導レンジ:3.75〜4.0%(0.25%利下げ)
- QT:12月1日で削減を終了し、その後は国債への再投資に切り替え
- SOMA運用:
- FF金利を目標レンジ内に維持するよう公開市場操作
- 翌日物レポ:最低入札金利4.0%、限度額5,000億ドル
- ON RRP:提供金利3.75%、1社あたり上限1,600億ドル
- 12月以降、国債・政府機関債・MBSの償還分は国債(特に短期証券)に再投資
投票は「ほぼ全員」が賛成しましたが、
- 1名は より大きな利下げ(0.5%) を希望
- 1名は 据え置き を希望
と、スタンスの違いも表面化しています。
今後の方針
参加者は総じて、
- インフレの上振れリスクはなお高い
- しかし、雇用の下振れリスクも明確に高まっている
という「二面的なリスク」の中で、
金融政策は事前に決められたコースではなく、入ってくるデータ・見通し・リスクバランスを見ながら会合ごとに判断するという姿勢を強調しています。
多くの参加者は、
- 時間をかけて より中立的なスタンスへ移行する中で、追加利下げが適切になる可能性が高い としつつも、
- 12月会合での利下げの有無は、今後のデータ次第 としています。
まとめ
今回のFOMC議事要旨から読み取れるポイントを整理すると:
- FRBは インフレ再上昇を認識しながらも、雇用の下振れリスクを以前より重く見ている
- 短期金融市場の逼迫と準備金水準を踏まえ、QTの早期終了を決定
- バランスシートとSRFの運用について、より安定的で柔軟性の高い枠組みづくりに舵を切り始めた
- 金融政策は、今後も 「インフレ2%目標」と「雇用の下振れリスク回避」の間で微妙なバランスを取る局面 が続きそう

当分は利下げで対応して様子見ですかね?
現在の米国株はNVIDIA株が牽引しています。しかし、そのNVIDIAも陰りが見え隠れしており、AIバブルの終わりが見えて来ている様相。ここは、慎重に見極めが必要ですね。
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