
今回のFOMC議事録は色々書かれていました!
パウエルさんも退任が近づいているので、しっかりの現状を確認していきましょ!
2026年2月18日に公表された、1月会合分のFOMC議事録では、
- 利下げ期待は市場に残しつつも、FRB自身はかなり慎重
- 景気は「堅調」、インフレは「まだやや高い」
- AI投資ブームによる成長期待と、資産価格の過熱リスク
- 雇用の急悪化リスクはやや後退した一方で、インフレの上振れリスクは根強い

ざっくり言うと、この4点です。
さて、次は細かい内容に触れていきましょ!
金融市場と公開市場操作の概要:利下げは「今年1〜2回」がメインシナリオ
市場の金利見通し
議事録によると、FRBの公開市場デスクによる調査では、
- 市場参加者は
- 2026年の米経済は引き続き底堅いと見ている
- 実質GDP成長率予想は上方修正
- PCEインフレ率と失業率の予想は大きく変わらず
- 政策金利(フェデラルファンド金利)については
- 市場ベースの予想:今年0.25%利下げが1〜2回
- デスク調査の中央値:今年0.25%利下げが2回

「緩やかな利下げはするだろうが、急激な利下げサイクルではない」というのがマーケットの雰囲気かな?
国債市場とインフレ期待
- 短期国債利回り:ほぼ横ばい
- 長期国債利回り:ネットで数bp上昇 → イールドカーブがややスティープ化
- 短期のインフレ連動指標は、
- CPI下振れ
- エネルギー価格下落
- 関税の価格転嫁が想定より弱かった
などを背景に、短期インフレ期待はやや低下
- モデルやフォワードレートは
- 短期インフレが「今年中は今の水準付近で安定」
- その後、緩やかな低下が続くシナリオ
という姿を示しています。
住宅・株式・為替:AIブームとドルの行方
住宅ローン市場とMBS
- ファニーメイ/フレディマックが住宅ローン投資ポートフォリオ拡大の可能性を示したことで、
→ MBS利回りは、同じ年限の米国債よりも相対的に低下 - ただし、
- 現在の住宅ローン金利は、既存ローンの加重平均金利を大きく上回っている
- そのため、借り換えブームが再燃する可能性は低い

MBSには追い風が吹いているものの、住宅ローン需要が一気に加速するシナリオではないってことかな?
株式市場:ビッグテック以外が主役
- 大手テクノロジー企業は、
高バリュエーションと大規模設備投資への警戒から、市場平均をややアンダーパフォーム - これらを除いたS&P500は、会合間で約3%上昇
- 景気敏感セクターや小型株指数は、さらに良好なパフォーマンス
AI関連の大型テック一強相場から、裾野の広い相場に徐々にシフトしている印象です。
為替・国際情勢:ドル安予想はやや後退
- 民間予測では、
米国の利下げ幅が他の先進国より大きいとの見方から、基本シナリオはドル安 - しかし、
米国の予想成長率が他国より相対的に上向いているため、
想定されるドル安の幅は、ここ数ヶ月でかなり縮小 - 会合直前には、
「ドル円レートチェック」報道でドル急落
これについてマネージャーは、米財務省がNY連銀に依頼するものに限られると説明

「ドル安方向だけれど、米景気の強さが下支え」という構図。
ドル円にとっては、金利差縮小=円高要因と、米景気の底堅さ=ドル買い要因が綱引きしている状態ですね。
マネーマーケットとFRBバランスシート:流動性は比較的安定
フェデラルファンド金利とレポ市場
- 実効FF金利:準備預金金利をわずかに下回る水準で安定
- レポ金利:年末には一時的に上昇したものの、市場が懸念していたほどの緊張は起きず
背景として挙げられた要因は、
- RMP(準備金運用購入)開始と、TGA残高減少による流動性供給
- スタンディング・レポ・オペの設計と説明の見直し
- 中央清算型レポの拡大
- 投資家側の年末資金繰りへの備え
12月のスタンディング・レポの仕様変更により、オペ利用に対する心理的ハードルが下がり、実際の利用も増えたことが指摘されています。
バランスシートと準備預金の見通し
- RMP継続のもと、
- 4月初めまで準備預金は増加
- その後、税金がTGAに流入するタイミングで急減少
- ただし底値でも、
- 準備金は年末水準と同程度
- 予測期間の大半で3兆ドル近辺を維持すると見込まれている

「過度な量的引き締め(QT)ではなく、十分な準備金を維持する」というメッセージかな?
経済の現状:景気は堅調だがインフレはまだ「やや高い」
成長・雇用・賃金
- 2025年の実質GDPは、
2024年よりやや低いペースだが、拡大は継続 - 労働市場では、
- 12月失業率は4.4%で、9月から変わらず
- 第4四半期の雇用者数増加は平均でマイナス
→ 退職猶予制度終了に伴う政府雇用の急減が一時的要因 - 直近2ヶ月の雇用増加ペースは、第3四半期とほぼ同じ
- 賃金については、
- 平均時給は12ヶ月で3.8%上昇
- 前年と比べるとやや伸びが鈍化
労働市場は「過熱からややクールダウンして安定に向かっている」イメージです。
インフレ指標
- 11月のPCE総合:前年比2.8%(前年2.6%よりやや上)
- コアPCE:2.8%(前年3.0%から低下)
- スタッフ推計による12月:
- PCE総合:2.9%
- コアPCE:3.0%
- CPIベースでは:
- 総合:2.7%
- コア:2.6%

コアサービス(特に住宅)のインフレは減速している一方で、コア財価格は関税引き上げの影響からやや上昇しているのかな?
海外経済と金融環境:AIブームと関税の影響
海外経済
- 多くの地域で、成長はトレンド以下のペース
- 米国の関税は、カナダ・メキシコの自動車・金属関連に重し
一方で、
- 一部の新興アジアでは、AIブーム関連のハイテク輸出が急増
- 中国では、対米以外の輸出が堅調で経済を下支え
海外インフレと政策金利
- 多くの国で総合インフレは目標近辺
- 一部では、食品・サービス価格の上昇圧力が継続
各国中銀の対応は、
- イングランド銀行、メキシコ銀行などは利下げ
- ほか多くは政策金利を据え置き
- 日本銀行は例外的に、主要政策金利を「中立レンジ」に向けて引き上げ

「米国は利下げ方向、日本は利上げ方向」という構図が、中長期的な金利差縮小とドル円の変動要因!
信用市場と金融安定性:AIバブルとレバレッジのリスク
借入環境と信用パフォーマンス
- 企業・家計・地方自治体の借入コストは、
2023年のピークよりは低いが、リーマン後平均と比べるとまだ高め - 社債・レバレッジドローン・CMBS利回りは、会合間にやや低下
- 30年固定住宅ローンや自動車ローンの金利も同様に低下
融資環境としては、
- 大企業・多くの家計・自治体は概ね借入可能
- 中小企業・信用スコアの低い層は、依然として比較的タイト
SLOOS(融資担当者調査)では、
- 第4四半期にかけて、商業用不動産ローン・消費者ローンを中心に基準がやや緩和
- 全体としては、2011年以降の中央値付近の厳しさ
金融システムの脆弱性評価
FRBスタッフは、「金融脆弱性は引き続き顕著」と評価しています。
主なポイントは、
- 資産価格
- 株価収益率(PER)は過去分布の上限付近
- 特にテクノロジー企業の成長期待とリスク選好の高まりが背景
- 非金融企業・家計の債務
- 脆弱性は中程度
- 企業債務は緩やかに増加し、投資適格企業に集中
- AI投資に伴い、今後も債券発行増の可能性
- 金融セクターのレバレッジ
- ヘッジファンド・生命保険会社のレバレッジは高水準
- 銀行の規制資本比率は高い一方、市場ベースの自己資本比率は低めで、長期金利上昇に脆弱
- 資金調達リスク
- 短期資金調達の対GDP比や無保険預金は歴史的レンジ内
- ステーブルコイン時価総額は増加しているが、システム全体から見るとまだ小さい

「AI関連の期待と資産価格の高水準、それを支えるレバレッジ」が、今後の注目リスク!
スタッフ見通し:成長は潜在を上回り続け、インフレはやや高めで推移
成長・失業率の見通し
- 12月会合時点から、成長見通しは上方修正
- 理由は、
- すでに出ているデータが強い
- 金融環境が一段と緩んだ
- 潜在成長率(潜在GDP)の見通しを小幅上方修正
- 関税の景気押し下げ効果は弱まり、財政政策と金融環境が支出を支える見通し
結果として、
- 2028年まで実質GDPは潜在成長率を上回る
- 失業率は今年から低下し、年末には自然失業率推計を下回り、その後も低水準が続く見通し
インフレの見通し
- インフレ予測は、全体として小幅に上方修正
- 要因は、
- 資源利用の逼迫
- コア輸入価格の上振れ
- 関税の物価押し上げ効果は年央以降に徐々に薄れる見通し
- その後、インフレはディスインフレ傾向に戻ると予測
リスク認識としては、
- 経済活動・雇用 → 下振れリスクが優勢
- インフレ → 上振れリスクが優勢

特に、2021年初頭からインフレ率が2%を上回ってきた経緯を踏まえ、「想定より粘着的なインフレ」リスクを重視!
参加者の見解:利下げしたい気持ちはあるが、急がない
インフレ・労働市場に対する見方
インフレについては、
- 2022年の高水準からは大きく低下している
- それでも2%目標と比べるとやや高い
- 主な押し上げ要因は、関税によるコア財インフレ
- 一方で、住宅サービスを中心にコアサービスではデインフレが進行
労働市場については、
- 失業率は横ばい
- 雇用増加は低水準だが、レイオフも低水準
- 冷え込みの後に安定しつつある可能性
- 採用は慎重で、AIなど自動化技術の影響の不確実性も要因
多くの参加者は、
- インフレの低下は続くが、ペースやタイミングは不透明
- インフレが2%目標に戻るまでの道のりは、想定より遅く不均一になる可能性
- 長期のインフレ期待は、おおむね2%目標と整合的
と評価しています。
金融安定性・AI関連リスクへの目配り
参加者は、次のような金融安定面のリスクにも目を向けています。
- 資産価格の高騰と、歴史的に低い信用スプレッド
- AIセクターにおける
- 高い株価
- 少数企業への集中
- 債務による資金調達の増加
- 不透明な民間市場での資金調達
- 民間信用セクターとノンバンク金融機関の相互接続リスク
- ヘッジファンドのレバレッジ拡大
- 低・中所得世帯の家計の脆弱性
- 世界の債券・為替市場の変動がもたらす波及効果

FRBは「AIバブル+高レバレッジ+低所得層の脆弱性」という3点セットをかなり意識していると思います。
金融政策判断:今回は据え置き、今後はデータ次第で「利下げ or 現状維持 or 利上げ」も排除せず
今回の決定
- 大半の参加者は、フェデラルファンド金利の目標レンジを3.5〜3.75%に維持することを支持
- 少数(2名)の参加者は、0.25%ポイントの利下げを主張
- 多くの参加者は、昨年75bpの利下げを行った現在の政策スタンスを「中立レンジ内」と認識
今後の金利パスに関する考え方
- 複数の参加者は、インフレが見込み通り低下すれば、今後の利下げが適切となる可能性が高いとコメント
- 一部の参加者は、十分なデータを確認するまで、しばらく金利据え置きが適切となる可能性を指摘
- ディスインフレの進展が確実になるまでは、追加緩和(利下げ)は正当化しにくいとの見方もある
- また、インフレが再び上振れした場合には利上げもあり得る、という双方向の説明を維持すべきとの意見も複数
リスク管理のスタンス
- 大多数の参加者は、
- 雇用の下振れリスクはここ数ヶ月で低下
- 一方で、インフレの持続リスクはなお残存
- 一部の参加者は、リスクはより均衡しているとみている
- 複数の参加者は、インフレが再び上昇している局面で過度に緩和すると、
- 2%目標へのコミットメントが疑われ
- 高インフレを固定化させるリスクがあると警戒
- 少数の参加者は、労働市場の急悪化リスクを重視し、過度に引き締め的な政策を続ければ失業率急上昇のリスクがあると警鐘を鳴らしている

まとめると、「基本シナリオは緩やかな利下げだが、インフレ次第では利上げ再開も排除しない。どちらにも振れる“データ依存”スタンス」!
まとめ
- 米国金利
- 今年中に0.25%利下げが1〜2回程度というのがメインシナリオ
- リセッション入りを連想させるような急速な利下げ局面は、現時点では想定されていない
- インフレ
- 2%台後半〜3%前後と、目標よりやや高い状態が続く見通し
- インフレの「上振れリスク」をFRBが強く意識している点は、長期金利・株式バリュエーションの上値抑制要因
- 為替(ドル円)
- 米国は利下げ方向、日本は利上げ方向(中立レンジを目指す日銀)という構図
- 中長期的には、金利差縮小=ドル円の上値は徐々に重くなりやすい構図
- 株式
- ビッグテック一極ではなく、景気敏感セクターや中小型株への裾野広がりが示唆
- 一方で、AI関連・テックのバリュエーションとレバレッジには過熱・調整リスクも

この議事録からは、「リセッション懸念一辺倒ではないが、インフレとの戦いはまだ終わっていない」というFRBのスタンスですね!
出典・引用元
本記事は、以下のFOMC議事録(英語原文)をもとに要約・解説しています。
- Board of Governors of the Federal Reserve System
“Minutes of the Federal Open Market Committee, January 28–29, 2026”
公式ページ(HTML):
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20260129.htm - 同 PDF版:
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20260129.pdf
(※URLは例示形式です。実際に記事を公開する際は、FRB公式サイト上の対象会合ページから正確なアドレスを確認してください)
免責事項
本記事は、2026年2月18日公表のFOMC議事録をもとに、筆者が内容を要約・解説したものです。
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