2025年5月9日に、FOMC議事録が出ました。
今回は、FOMC議事録の見どころなどについて書いていきたいと思います。

チキチキン
FOMC議事録を確認することで、委員会の雰囲気などが分かるのでしっかり確認しましょ!
まずは、結論
2025年5月9日に、FOMC議事録が出ました。6点のポイントについてコメントが書かれていました。
- 金融政策戦略・ツール・コミュニケーション
- 金融市場と公開市場業務の動向
- 経済状況のスタッフレビュー
- 金融環境の詳細なレビュー
- スタッフの経済見通し
- FOMC参加者の見解

チキチキン
トランプ大統領は金利低下を希望していますが、果たして?
FOMCの議事録について
2025年5月9日に行われたFOMCの議事録がありました。他のサイトで議事録についての記事があるので確認しましょ!出典元:米国連邦準備制度理事会公式HP 記事リンク→2025/5/9(FOMC声明)
以下に、FOMC議事要旨の内容を絵文字なし・見出しに番号付きで再構成した箇条書き形式でまとめました。
1. 金融政策戦略・ツール・コミュニケーション
・背景と目的
- FOMCは金融政策枠組みの見直しを継続。
- 過去のインフレ経験から得た教訓を政策設計に活用。
・インフレに関する知見
- 需給の不均衡や労働市場の逼迫がインフレを押し上げ。
- 長期インフレ期待の安定がインフレ抑制に寄与。
・インフレ目標と戦略
- ELB(実効下限)下での政策効果をモデルで分析。
- 平均インフレ目標(AIT)の利点と限界を検討。
- インフレショック下ではAITの効果が限定的との見解。
・将来の方向性
- 2%目標の重要性を再確認。
- 長期目標と戦略声明の再検討を視野に。
- 政策ツールの柔軟な活用がELBリスクへの備えとして重要。
2. 金融市場と公開市場業務の動向
・市場概況
- 長期金利が上昇、短期金利は低下し、利回り曲線がスティープ化。
- 株価は横ばい、ドルは2%以上下落。
・インフレ期待と政策予想
- 短期インフレ期待は上昇、長期期待は安定。
- 市場は年内に1〜2回の利下げを織り込み。
・市場の反応・リスク評価
- 貿易政策は供給ショックと捉えられ、成長見通しが下方修正。
- クレジットスプレッドが拡大、リスク資産価格が下落。
・資金調達と流動性
- レポ市場やON RRP施設は安定運用。
- SRFの試験運用が成功。
- 準備金水準は3.2兆ドル超。
・国際協定
- G7中銀とのスワップ協定やNAFA協定を更新。
3. 経済状況のスタッフレビュー
・インフレ
- PCEインフレ(3月):総合2.3%、コア2.6%(前年比で鈍化)。
・労働市場
- 失業率は4.2%で安定。
- 雇用増加は堅調、賃金は前年比+3.8%。
- 雇用コスト指数は前年比+3.4%。
・実質GDP
- 第1四半期は輸入増により微減。
- 基礎的な内需は堅調で、景気後退の兆しは見られず。
4. 金融環境の詳細なレビュー
・政策金利と金利市場
- 政策金利経路は小幅に上昇。
- 長期保険料の上昇により長期金利が上昇。
・リスク資産
- 株式市場のボラティリティが高止まり。
- クレジットスプレッド拡大も、歴史的には低水準維持。
・国際金融・通貨動向
- 関税発表がリスクセンチメントに悪影響。
- 外国株・社債市場はやや軟調、ドルは下落傾向。
・信用市場と貸出
- 社債やCMBS市場では借入コストが上昇。
- 銀行貸出基準は概ね横ばい、小規模行ではCREローン審査が厳格化。
・消費者信用・信用の質
- 高信用スコア層への貸出は継続、低スコア層は困難。
- クレジットカードや自動車ローンの延滞率は高水準。
- CRE・FHAローンの信用リスクも上昇。
・金融システムの脆弱性
- 株式、住宅、社債市場における資産価格リスクが高水準。
- ヘッジファンド等非銀行金融機関のレバレッジにも注意喚起。
- MMFの流動性問題は一時的だが監視継続。
5. スタッフの経済見通し
・成長・雇用
- 実質GDP成長率は下方修正。
- 生産性の伸び鈍化、潜在成長率も減速傾向。
- 失業率は2025年以降、自然失業率を上回る水準で推移との見通し。
・インフレ
- 関税の影響で2024年のインフレ率は上振れ、2026年まで影響継続。
- 2027年には2%目標に収束する見込み。
・リスク評価
- 成長と雇用には下振れリスク。
- インフレは短期的にはバランスも、2026年以降は上振れリスクが優勢。
6. FOMC参加者の見解
・総括的見解
- 経済活動は底堅く推移するも、インフレは依然として高水準。
- 関税・財政政策・移民政策など不確実性の高まりに警戒。
- 成長・雇用の下振れ、インフレの上振れというリスクの構図。
・インフレ
- 2%を超える状態が続くと見られる。
- 関税のインフレ効果は中間財を通じて持続。
- 一部では便乗値上げも観察される。
- 一方で価格抑制圧力(競争、交渉、経済減速)も存在。
・労働市場
- 労働需給はバランスが取れた状態。
- 名目賃金の伸びは穏やかで、インフレ圧力は限定的。
・消費と景気
- 第1四半期のGDP減少は一時的要因による。
- 個人消費は堅調だが、将来的な鈍化が懸念される。
- 高インフレと政策不確実性が予防的貯蓄を促し、消費を抑制する可能性。
・ビジネス投資と企業心理
- 設備投資は堅調も、企業のセンチメントは悪化傾向。
- 関税によるコスト増加が投資延期や見通し悪化を引き起こす。
- 特に農業、中小企業、エネルギー部門の脆弱性が指摘される。

チキチキン
FOMCは、過去のインフレ経験や現在の金融・経済情勢を踏まえ、政策の柔軟性と効果の最大化を目指している。インフレは粘着的であり、政策スタンスの維持とともに、将来的な利下げや枠組み再評価の必要性を慎重に見極めている。関税やその他の構造的な不確実性が成長とインフレ双方のリスクを高めており、今後の政策対応はこうした要因の動向次第!今回も「様子見」って事ですね。
まとめ
2025年5月のFOMC議事録が出まので、FOMC議事録の見どころなどについて書いていきました。
米国経済は、FRBとしてはまだ様子見で大丈夫!と判断していますね。
今は、金利より政策側の動きが激しいので気軽に動けない!って感じもしますが・・

チキチキン
現在は、米国国際貿易裁判所から『トランプ大統領の相互関税が違法』との判定で10日以内に停止命令が出ました。トランプ大統領は控訴・再審を求めています。このサプライズで米国株は上げていますね。
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